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丸の内の大地主!「8802:三菱地所」はどんな企業?【銘柄考察】【投資】

2024年5月22日

 お疲れ様です、今日は三菱グループの主要企業で総合不動産業を営む三菱地所についてです!「三菱地所」って存在感が凄いというか、凄みのある社名だと感じるのは鉄サラだけですか?地所って言うと本来、場所と似たような意味を指す単語だったりするんですが、もはや地所=三菱地所と脳内変化されちゃいますが、きっとこれは鉄サラだけではないはず…!

 それでは、どんな企業なのか5月10日の決算発表(会社ページ)も踏まえ、株価や配当などについても考察していきましょう!この記事は、約6分で読み終わる内容です。】

 

 

1.三菱地所は何の企業?

 三菱地所は、日本の一等地、東京・丸の内が基盤の総合不動産企業です!鉄サラと同じく、関西の民には丸の内と言われてもピンと来ないと思いますが、ざっくり東京駅の真正面の一帯のようです。さらに、丸の内の両脇には、有楽町、大手町というエリアがありますが、このエリアにも多数の物件を有しており、むしろ三菱地所の最大の特徴として、東京駅周辺エリアに保有物件が集積していると考えたほうが良いかもしれません。

(引用:三菱地所株式会社 アセットブック2022/3より)

 すでに出来上がっているアセットを賃貸するなどして、利益を出していくのはもちろんですが、次々と周囲の土地を巻き込んだ再開発も行っています。現在進行中のプロジェクトとしては、TOKYO TORCH Projectsがあり、このプロジェクトのシンボルタワーとなるTorch Towerは2028年に高さ日本一(約390m)のビルとして竣工する予定とのことです。

(引用:https://tokyotorch.mec.co.jp/

2.2024年3月期決算と2025年3月期の見通し

 ここからは、決算と見通しについて見ていきます。

(鉄サラ作成)

 まずはサマリーです。2024年3月期の決算はおよそ1.5兆円(昨年度は約1.4兆円)の売上高、最終利益はおよそ1,684億円(同1,653億円)と昨年度と比べると増収増益で、いずれも過去最高更新となっています。さらに、2025年3月期の見通しでも、増収増益の見通し、いずれも連続での過去最高更新となっています。絶好調ですね。

(引用:三菱地所株式会社 2023年度決算説明プレゼンテーション資料より)

 2024年3月月期の決算を詳しく見ていきましょう。決算説明会資料よりPLを引用してきました。オフィス・商業ビルなど、丸の内エリアのビルを含むコマーシャル不動産事業が数字の規模も大きく好調ですね。海外事業の大きなマイナスが気になりますが、前年度の大型物件売却による一過性の反動減とのことなので、大きな問題ではなさそうです。

 また実は、経常利益では前年度比マイナスとなっています。投資有価証券等の売却益を特別利益に計上することで、最終増益を達成しているのです。毎年できるものではないですし、どう捉えるかが難しい所ではありますが、鉄サラ的には上手い経営をしているなという印象を受けました。

(引用:三菱地所株式会社 2023年度決算説明プレゼンテーション資料より)

 続いて、2025年3月期の見通しの詳細ですが、同様の資料を引用してきました。2024年3月期とは逆転して、コマーシャル不動産、丸の内事業が減益、海外事業が増益をそれぞれ見込んでいますね。投資マネジメント事業も大幅増益ですが、これは会計上の問題のようですのでスルーして良いでしょう。

 ところで、売却益の計上が大きいと、貸せる物件が無くならないか?と心配になりませんか?鉄サラはなりました(笑)。でも、どうやら回転型資産という考え方があるようで、そんなことにはならないようです!回転型資産とは、例えば、土地を100億円で購入し、10億円でビルを建て、それをセットで120億円で売るというイメージです。例の内容ですと、総投資が110億円で売却額が120億円ですので、10億円の売却益が出るということになります。ただ、このモデルは毎年大規模物件が取得・売却できるわけではなく、購入時と売却時で不動産マーケットが同じとも限らないので、利益の波やリスクが比較的大きい事業と言えるでしょう。

 

3.現在の株価と指標

 株価グラフと各指標は次の通りです。

(鉄サラ作成)

(鉄サラ作成)

 1株2,625円、1単元100株で26万円ほどとなっています。ここ1年株価は好調でしたが、直近では下落してしまっていますね。

 住宅用不動産販売の状況が、芳しくないことに加え、長期的には金利の上昇による不動産需要減退の懸念があることなどが影響していそうです。ただし、三菱地所は、丸の内エリアの不動産から安定した賃料を期待できる点で、底堅さという意味では他社に勝っているのではないでしょうか。

 PERは19.2倍、配当利回りは1.6%となっています。ここ1年の上昇で、割安感はなくなりましたね。同業他社と比較しても、やや割高水準で、繰り返しになりますが丸の内のプレミアムが株価に反映されていそうです。

 

4.まとめ

 三菱地所について見てきましたがいかがでしたでしょうか。

 なんといっても丸の内の大地主というイメージは抜けないんですが、海外でもしっかり稼いでいたり、記事の中では記載しませんでしたが、大阪の一等地うめきたのグラングリーンにも携わっていたりと、総合不動産らしく幅広く事業を展開しています。

 投資対象としてみると、不動産市況に影響を受ける事業内容でありながら、丸の内の大地主であることで底堅さもあり、バランスの良い銘柄ですね。また、2030年度まで毎期3円の累進配当導入、2024年度から2026年度まで毎期500億円程度の自社株買いを想定との記載が決算資料にあり、株主還元に力を入れているというのは評価できるポイントです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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(※本記事は掲載銘柄への投資を推奨するものではありません。一切の投資については、自己責任でお願いいたします。)