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海洋関連に強み「1893:五洋建設」はどんな企業?【銘柄考察】【投資】

2024年6月10日

 お疲れ様です、今日は五洋建設についてです!〇〇建設ってたくさんあって、お勤めの方には失礼ですが、違いが分からないところもたまにありますよね…。そんな中で、五洋建設はとってもわかりやすい特徴があるので、記事にしてみました!

 それでは、どんな企業なのか決算発表(会社ページ)も踏まえ、株価や配当などについても考察していきましょう!この記事は、約5分で読み終わる内容です。】

 

 

1.五洋建設は何の企業?

 五洋建設は、海洋土木工事に強みを持つ建設企業です!海洋土木工事というのは、まさに海の上に防波堤や港などを作る工事のことです。ちょっと変わったところでいうと、羽田空港D滑走路の建設にも携わっています!(コアな航空ファンにしか伝わらないかもしれませんが…)

 そして、その海洋土木の技術は世界的にも高く、40年以上前と昔の話にはなりますが、1980年に世界的な海運の要衝であるスエズ運河の拡幅工事にも携わっています。

五洋建設HPより画像を引用。)

 また、最近では再生可能エネルギーとして注目を浴びている洋上風力発電の工事も、五洋建設では10年以上前手掛けています。直近では、北九州市、響灘の洋上風力工事を受注しており、引き続き力を入れているようです。一方で、成長が期待される分野ということで、スーパーゼネコンと呼ばれる建設の大手5社の一角である清水建設が建設用の船舶に多額の投資をするなど注力しているほか、同じくスーパーゼネコン鹿島建設も同種の再規模浩司を受注しています。1社で受注できる量には限りがありますが、今後の受注がどうなっていくのか気になるところです。

(引用:ひびきウインドエナジー株式会社HPより)

 最後になりましたが、もちろん陸上の土木や建築も手掛けています。若干、海のにおいがするPJの紹介ですみませんが、2024年1月には東京、豊洲市場にある千客万来という商業施設を竣工しています。観光客を中心に、沢山の方が訪れることが開業前から想定されるものの、東京五輪の都合などで工期が厳しいPJだったようですが、省力化やDXに取り組み、工期を遵守し竣工できたとのこと。

 蛇足ですが、同施設は、2月1日にオープンしており、7千円とかなり高額の海鮮丼が販売されていることなどが話題となり、ニュースで見られた方も多いのではないでしょうか。

(引用:五洋建設株式会社 2024年3月期決算補足説明資料 より)

2.2023年12月期決算と2024年12月期の見通し

 ここからは、決算と見通しについて見ていきます。

(鉄サラ作成)

 まずはサマリーです。2024年3月期の決算はおよそ6,177億円(昨年度は約5,022億円)の売上高、最終利益はおよそ179億円(同7億円)で増収増益となっています。さらに、2025年3月期の見通しにおいても、増収増益となっています。

(引用:五洋建設株式会社 2024年3月期決算補足説明資料 より)

 2024年3月期の決算を詳しく見ていきましょう。決算説明資料より、事業別の損益計算書を抜粋してきました。数字が多くてなかなか見にくい表ですが、2023実績の左が実績の数値、右側は利益率を表しているようです。全体としては、国内土木を筆頭に全事業で好調ですね!ただ、気になるのは海外事業です。前期は工事損失160億円の計上があったため、その反動で大きく回復していますが、継続して赤字となっています。浚渫船という水底を掘って水深を深くする船の稼働率が低いことや為替が理由のようで、為替は致し方ないとしても、稼働率はどうにか改善して欲しい所です。

(引用:五洋建設株式会社 2024年3月期決算補足説明資料 より)

 続いて、2025年3月期の見通しですが、同様に決算説明資料より、事業別の損益計算書を抜粋してきました。こちらも24年3月期の勢いには劣るものの、全体として好調を維持していますね。海外事業も赤字から0まで回復しています。

(引用:五洋建設株式会社 2024年3月期決算補足説明資料 より)

 さて、直近の業績がさえない海外事業について補足です。海外事業の業績推移を抜粋してきました。回復基調ではありますが、当初計画(2023年5月の中期経営計画)より見通しを引き下げており、2025年度(26年3月期)の営業利益22億円が達成可能かどうかというのが注目ポイントですね。

 

3.現在の株価と指標

 株価グラフと各指標は次の通りです。

(鉄サラ作成)

(鉄サラ作成)

 1株656.8円、1単元100株で6.5万円ほどとなっています。ここ1年の値動きとしては、750円を下限で小幅な動きでしたが、直近の決算発表を受けて大きく下落していますね。前年比ベースでは悪くない内容ではありますが、業績予想から下振れたことや4Q単体では前年度比悪化したことが嫌気されたようです。

 PERは9.3倍、配当利回りは3.7%となっています。割安、高配当ですね。海洋土木の技術を見ると、もう少し市場に評価されていてもいいように思いますが、直近で大きく株価を下げたこともあり、建設業の平均PER以下の水準となっていますね。

 

4.まとめ

 五洋建設について見てきましたがいかがでしたでしょうか。

 高い技術力や回復基調の業績、決して高くない株価水準で、鉄サラ的にはとっても買いたくなる銘柄でした。ただし、海外事業の収益性の悪さや直近の四半期で業績が悪化していることの2点はかなり気がかりです。回復基調を維持して、しっかりと利益成長できるのか、この銘柄に限った事ではありませんが、見極めるのは難しいですね…。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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(※本記事は掲載銘柄への投資を推奨するものではありません。一切の投資については、自己責任でお願いいたします。)