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増配!自社株買い!「8766:東京海上ホールディングス 」はどんな企業?【銘柄考察】【投資】

2024年5月20日

 お疲れ様です、今日はCMの「tokyo marine」(トキョマリン)でお馴染み東京海上ホールディングス(以下、東京海上HD)についてです!CMの「tokyo marine」(トキョマリン)を、記事執筆にあたり久々にYouTubeで聞いたらそれ以降耳から離れません(笑)。鉄サラ自身は、契約はないのですが、自動車保険や火災保険を契約していてなじみ深いという方も多いのではないでしょうか。

 それでは、どんな企業なのか本日発表の決算(2024年3月期決算発表:会社ページ)を確認し、株価や配当などについても考察していきましょう!この記事は、約6分で読み終わる内容です。】

 

 

1.東京海上HDは何の企業?

 東京海上HDは、日本と世界46の国と地域で事業を展開する損害保険を主体とした保険の大手企業です!

(引用:東京海上ホールディングス株式会社 HPより)

 それでは、東京海上HDの特徴を見ていきます!

 まず1つ目は、海外利益比率の高さです。経常利益ベースで実に6割超が海外事業となっています。実は、2022年度は同業のSOMPOホールディングスのほうが海外利益比率が高く、MS&ADインシュアランスグループホールディングスのほうが国内首位となっていたのですが、2023年度はどちらも東京海上HDが上回りました。

(引用:東京海上ホールディングス株式会社 2023年度決算概要資料より)

 2つ目は、時価約3.5兆円という莫大な額の政策株式を保有しているということです。さらに、これを2029年度末までに0にするとのこと。簿価は約0.4兆円とのことなので、すべて時価で売却するとすると単純計算で2024年度~2029年度までの6年間毎年平均約0.5兆円*の売却益が見込めるということになります。

*(3.5-0.4)/6≒0.5

*図中*1は出典元「非上場株式(24.3末時価・簿価約225億円)および資本業務提携による出資等は除く」との記載あり

 

2.2023年8月期決算と2024年8月期の見通し

 ここからは、決算と見通しについて見ていきます。

(鉄サラ作成)

 まずはサマリーです。2024年3月期の決算はおよそ7.4兆円(昨年度は6.6兆円)の経常収益、最終利益は6,958億円(同3,746億円)と増収増益でいずれも過去最高更新となっています。さらに、2025年3月期の見通しでは、2024年3月期の利益を上回り過去最高益を更新する見通しとなっており絶好調というように見えます。

(引用:東京海上ホールディングス株式会社 2023年度決算概要資料より)

 2024年度3月期の決算を詳しく見ていきましょう。決算説明会資料よりセグメントごとの経常利益について、引用してきました。J-P&Cが国内損保、J-Lifeが国内生保でいずれもほぼ横ばいとなっています。コロナ反動などの一過性の利益増と円安、ヘッジコスト増による利益減が相殺した形です。ヘッジコスト*というのは、詳細は割愛しますが日米金利差による影響を受けて上昇しているもので、どうしようもない部分ではあります。International、海外事業ではコロナ、ロシア・ウクライナ問題の反動よる一過性の利益増が+約1,250億円、円安影響(国内とは逆に増益要因)が+約180億円と外部環境による影響も大きいのですが、主要拠点で業績好調だったようで、+約1,000億円ほどが営業努力によるものと思われます。

*ヘッジコストについて気になる方は、SOMPOひまわり生命Webサイトが分かりやすいです。

 

(引用:東京海上ホールディングス株式会社 2023年度決算概要資料より)

 続いて、2025年3月期の見通しの詳細ですが、上記の引用してきたものは東京海上HD独自のNormalized≒実力ベースに修正した純利益なのでやや齟齬があるかもしれませんが、すべてのセグメントで増益見通しとのこと。ただし、いずれもほぼ横ばいで、やはりインパクトが大きいのはその他に計上された、政策株式の売却益およそ+3,000億円でしょう。いつまでも続くものではないので、ここで得た資金をどう使っていくかが長期的な成長に向けた1つのポイントとなりそうですね。

 

3.増配と自社株買い

 本日の決算発表では、あわせて増配と自社株買いについても発表がありました!2024年度の配当金は、2023年度比+29%の1株159円の予想、2024年度の自社株買いは2,000億円実施の方針で今回うち1,000億円の実施決定とのこと。開示内容を見る限り、よほど業績が下振れない限りは残りの1,000億円もやってきそうです。なお、割合については3%と資料にはありますが、5月20日終値ベースの時価総額が約9.8兆円ですので1%強といったところでしょうか。まずまずといった水準ですが、残りの1,000億円の実施への期待も含めその還元姿勢は素晴らしいと感じます!

 

4.現在の株価と指標

 株価グラフと各指標は次の通りです。

(鉄サラ作成)

(鉄サラ作成)

 1株4,967円、1単元100株で50万円ほどとなっています。業績が好調ということもあり、直近1年の株価は大きく上昇していますね。また、本日5月20日の決算発表を受けて、PTS市場では一段と高値を付け大台の5,000円に乗っています。

 PERは11.2倍、配当利回りは3.2%と割安のバリュー株、配当もそこそこ高配当となっています。

 

5.まとめ

 東京海上HDについて見てきましたがいかがでしたでしょうか。

 政策株式の売却や一過性の反動による増益などの部分もありますが、営業努力もしっかりあり、巨大企業ですがしっかり成長してる企業ですね。

 また、投資対象としてみると、株価は上昇基調、しっかり配当もあり、自社株買いも実施中でキャピタルゲインインカムゲインの両方が狙える銘柄ではないでしょうか。あえて気になる点をあげるとすれば、政策株式売却益の使い道ですかね。短期的には、株主還元が嬉しいですが、長期の観点ではしっかり成長投資を行っていく必要があると感じます。しっかり注目していきたいところですね!

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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(※本記事は掲載銘柄への投資を推奨するものではありません。一切の投資については、自己責任でお願いいたします。)