2024年5月29日
お疲れ様です、今日はOUGホールディングス(以下、OUGHD)についてです!東証スタンダードに上場する企業で、知名度はあまり高くない企業ですが、もしかすると知らないうちにお世話になった事があるかも?
それでは、どんな企業なのか5月10日の決算発表(会社ページ)も踏まえ、株価や配当などについても考察していきましょう!【この記事は、約3分で読み終わる内容です。】
1.OUGHDは何の企業?
OUGHDは、大阪市中央卸売市場等での水産物卸売を核として水産物関連事業を展開する企業です!水産物卸売(水産物荷受)とは、生産者つまり漁師さんなどから水産物を受け入れて、セリにかけるなどして委託販売を行い、委託販売にかかる手数料などで儲ける事業です。OUGHDは子会社の株式会社うおいちを通じて、近畿圏の主要な5つの市場でこの事業を営み国内業界最大規模を誇ります。
また、他にも、市場を通さず国内の産地や海外からも仕入れを行い、飲食店や量販店に販売する市場外水産物卸売事業、九州・四国でブリ等を養殖する養殖事業、他にも加工や物流なども含め水産物に関する事業を総合的に行っています。皆さん知らないうちに、OUGHDが携わった魚を食べているかもしれませんね!
2.2024年3月期決算と2025年3月期の見通し
ここからは、決算と見通しについて見ていきます。
まずはサマリーです。2024年3月期の決算はおよそ3,332億円(昨年度は約3,250億円)の売上高、最終利益は過去最高益となるおよそ36億円(同31億円)で増収増益となっています。一方、2025年3月期の見通しでは、一転して減収減益の見通しとなっています。
2024年3月月期の決算を詳しく見ていきましょう。決算説明資料より、セグメント別営業利益のWFチャートを抜粋してきました。市場外水産物卸売は好調でしたが、水産物荷受は微減、養殖事業は大幅減益となっていますね。決算説明資料によると、外部環境として、全体的に原価が上昇しており、苦しい事業環境だったようです。特に、養殖事業では、円安と物価高により餌代が急騰し、減益が大きくなったとのこと。一方で、外部環境が悪い中でも増益となった市場外水産物卸売については、値付け、要は原価高騰分をしっかり値上げできたことが、奏功したようです。値上げすると、商品に価値、競争力が無ければ、売上数量が減少してしまい上手くいかないのですが、増益につながったということは、商品力の高さがうかがえますね。
なお、最終利益では増益を達成していますが、営業利益では減益となった事には、注意が必要です。これは、債務超過状態だった子会社を解散し固定資産売却益などを特別利益として計上したことによるものとなっています。
続いて、2025年3月期の見通しですが、セグメント別の内訳や詳細情報については開示を見つけられませんでした。数字としては、最終減益ではあるものの、増収で営業利益では増益となっています。2024年3月期は、上述の特別利益があったことを踏まえると、内訳が不明ではあるものの悪くないのではないでしょうか。
3.現在の株価と指標
株価グラフと各指標は次の通りです。
1株2,638円、1単元100株で26万円ほどとなっています。この銘柄は、時価総額が147億円(2024/5/29終値ベース)と小さいこともあり、カクついたグラフとなっていますが、若干上昇していますね。
PERは4.7倍、配当利回りは3.2%となっています。超割安で、配当も高水準ですね。実は、OUGHD含め水産卸売業界の銘柄はどれもPER4~5倍程度となっていることが多く、市場からの評価が非常に低くなっています。魚を食べる人が減っていることや、そもそも日本の人口が減少していることが影響しているのでしょうか。
4.まとめ
OUGHDについて見てきましたがいかがでしたでしょうか。
業績は特殊要因を除くと横ばい圏で、株価は若干上昇しているものの超割安圏と市場からの評価は低くなっています。しかし、インバウンド観光客が増えて寿司などの魚料理の消費が増える可能性等もあり、そこまで悲観しなくても良いのではないでしょうか。鉄サラ的には、PER4.7という数字はあまりに評価されていなさすぎるという印象です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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(※本記事は掲載銘柄への投資を推奨するものではありません。一切の投資については、自己責任でお願いいたします。)